名古屋高等裁判所 昭和24年(控)97号 判決 1949年6月14日
被告人
上瀨四郞
主文
本件控訴を棄却する。
理由
控訴趣意省略
よつて按するに公判調書には公開の上開廷したことを記載すれば十分でその理由を記載する必要もなく、非公開の場合に限りその理由を記載すればよいので原審が公開の上開廷したことを記載してその理由を記載しなかつたのはまことに正当な措置でこの点についての控訴趣意は全く理由がない。
次に本件訴訟記録並に原審において取り調べた証拠に現れた諸般の事情を綜合すれば原審が判示犯罪事実を認定し、被告人を懲役十月に処したのは、その量刑が不当であるとは思われないから、この点についての控訴理由も採用することができない。而して職権により記録を精査するも、原判決には、事実の誤認その他違法の点を発見することができないから、刑事訴訟法第三百九十六條により本件控訴を棄却するよつて主文の通り判決する。